青字:生徒(勝爺)
茶字:先生(青村豆十郎)
1-2の課題
1,小倉笠付 一句以上三句まで
小倉百人一首の中から一首選び、その上五(最初の句、殆どは五文字)を取り出してそれを頭に据えた五七五(川柳体)の句をつくる課題です。下の句は付きません。
2,下の句もじり 一句以上三句まで
小倉百人一首の中から一首選び、その下の句(後ろの七七の部分、短句)を取り出してそれに似通った音の並びを持つ七七の句(十四字のダジャレのようなもの)をつくる課題です。上の句は付きません。
3,小倉百人一首から「もじり狂歌」
小倉百人一首の中から一首選び“その音の響きに注目し”似たような狂歌をつくる課題です。
4,小倉百人一首から「本歌取の狂歌」
小倉百人一首の中から一首選び“その意味や内容、元の作者に注目し”茶化し、場面の置き換え、新たな視点などを加えることで狂歌をつくる課題です。
3と4はどちらか一首以上あわせて四首まで
提出された狂歌の添削
青字:生徒(勝爺)
茶字:先生(青村豆十郎)
1、小倉笠付 一句以上三句まで
・(23)月見れば 千々に物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらね(大江千里)
(k-4)月見れば 餅が浮かびし ご飯前
・(37)白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける(文屋朝康)
(k-5)白露に ボタン取れたる セータ出し
・(85)夜もすがら 物思ふころは 明けやらで 閨のひまさへ つれなかりけり(俊恵法師)
(k-6)夜もすがら 飛び回る蛾に テレビ消し
(青村豆十郎)課題1,2,はまとめての評になります。
私が気に入ったのは一つ目と三つ目。
2,下の句もじり 一句以上三句まで
・(39)浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど あまりてなどか 人の恋しき(参議等)
(k-7)余り手の中 人に知られじ
・(47)八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり(恵慶法師)
(k-8)彼女は来ない 飽きられたかな
・(54)忘れじの 行く末までは かたければ けふを限りの 命ともがな(儀同三司母)
(k-9)経を限りに 唱えぬるかな
(青村豆十郎)剰りと余り、秋と飽き、今日と経など同音異義語に頼りつつ、
狂歌の実作に於いては良いですが、もじりを中心とした課題では、
内容は無理が無く、良く整っています。
3,小倉百人一首から「もじり狂歌」
・(87)村雨の 露もまだひぬ 槙の葉に 霧たちのぼる 秋の夕暮(寂蓮法師)
(k-10)なぐさめの 涙も乾かぬ 孫の背に 君立ち上がれ あげし湯を飲み
(青村豆十郎)村雨→慰め、槙の葉→孫の背、霧立ち上る→君立ち上がれ、
4,小倉百人一首から「本歌取の狂歌」
・(12)天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ(僧正遍昭)
(k-11)余った金 誰にあげよか いやまてよ 彼女さそいて しばし口説かん
(青村豆十郎)これはとても面白く仕上がっています。「いやまてよ」
「天つ風」から「余った金」
この講座の第一章の課題にはそれぞれ裏の目的、
今回の裏の目的として、「
具体的には「
「情景の美しさに意識を置きすぎる」
他に「
他にも「時事や風刺が好きすぎる」「もじりの仕方が自由すぎる」
井上勝彦さんの場合は、