・石楠花園(天城グリーンガーデン)に入ると、大きな杉が出迎える。御礼杉だ。
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明治維新以前、ここ天城山が徳川氏の所領であり、韮山の代官、江川氏をして管理せしめていた頃、山中の立木のうち、ヒノキ・スギ・アカマツ・サワラ・クス・ケヤキ。カシ・モミ・ツガの9種を制木とした。これらは、公用に供する以外は、一切の伐採を禁制し、違反した者は厳罰に処していた。(天城も9制木)しかし、これら9種以外の雑木に対しては、山附の村落に利用を許していたため、この条件として、雑木・下草を利用した際、その跡地や附近に杉を植栽せしめたのであるが、当時「御礼のため・・・・・・・云々」と村名主よりの文章があるが、実質的には、強権的要素を含むもので、政策的な造林の方法であった。
今日、国有林内に点々と、もしくは集団で、杉の老木を見るのは皆これらで、御礼杉と称されている。これらは、スギの生育に適した場所に植栽した為、生育旺盛にして、木材需要の資となるのみならず、天城におけるスギの生長状態、その他研究上の重要な資料となっている。
・樹齢 170~180年 ・平均胸高直径 116cm ・平均樹高 39m ・平均単木体積 11,9㎡>(説明木札より)
・木札を立てた年月日が帰していないので、現在時点での樹齢などがわからない。木札の汚れ具合などから推測すると立ててから10年以上は経過しているようだから樹齢200年弱というところか。