虚無僧の尺八静か旭滝
滝落の曲に誘われ旭滝
872~873
以前から気になっていた伊豆市にある旭滝。大平公民館前の信号横に立つ案内看板から入る。一般的に滝に至るには長い坂を下りる必要があるが、旭滝は駐車場から数秒歩いただけで見える。駐車場といっても4台だけのスペース。もちろんバスは停まれない。ひとけはなく、厳粛な雰囲気の滝である。滝の近くに大きな楓が数本あるので、紅葉の時期にはさぞ見ごたえが増すであろう。あいにく水量が少なかったが、大雨の後などに再度来てみたい滝だ。105メートルの高さがあり、浄蓮の滝に勝るとも劣らない立派な滝だ。ダムを作るとかして水量を多くする工夫が出来ないものか?
この滝の傍らには昔、瀧源寺という伊豆では唯一の普化宗(ふけしゅう)の寺があったが明治(1871年)になって政府により解体され、宗派としては失われ、この寺も廃寺となった。同宗は教義や信仰上の内実はほとんどなく、尺八を法器と称して禅の修行や托鉢のために吹奏した。尺八の名曲「滝落ちの曲」はこの滝から生まれたといわれている。