春惜しむ各駅電車の夫婦旅
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東海道の旅、今回は静岡駅で下車、一泊した。都会の駅周辺はどこへいっても全国チエーンの飲食店が占拠していて旅の雰囲気を壊す。
徳川慶喜公が大政奉還後、20年間住んでいた屋敷跡が浮月楼という高級料亭になっている。開店前、玄関横の植木に水遣りをしていたこの店の若い従業員に今夜泊まるホテルへの道順を聞くと、手を止め、私のスマホ(泊まる予定のホテル名等が入っているはずのメール)を手にして、色々調べてくれる。小生の説明が悪いのと、ホテル名がうろ覚えだったせいで、目的ははたせなかったが、忙しい中の神対抗に恐縮。政治は一切遠ざけて趣味に没頭し、市民からも慕われたという慶喜公の鷹揚な精神が受け継がれているようだ。門前の料理メニューを覗いたが我々には敷居が高いようなので、そのまま失礼した。