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3-4 歌字尽

青字:生徒(勝爺)
茶字:先生(青村豆十郎)

3-4 歌字尽

【説明】

『歌字尽』は人に読み書きを教えるために作られた往来物。往来物というのは、江戸時代、寺子屋や藩校などで使われた教科書で繰り返し出版されるものも多かった。

小野篁歌字尽は字形に共通項のあるような漢字を集めて書き並べ、狂歌を附して説明したものです。小野篁作と謳っていますが、それは事実では無いでしょう。
近江屋板の最初の狂歌は 椿榎楸柊桐 と大書した横に「春ツバキ夏はエノキで秋ヒサギ冬はヒヒラギ同じくはキリ」というような歌が付いていました。

3−4の課題と添削

1,部首を一つ決め、その部首を持つ漢字であり、部首以外の部分がJIS第一水準程度の独立した漢字として成立しているものだけを五つ以上列挙する。 例えば「土扁」で「坂」は「反」「城」は「成」という独立した漢字を持つが「塩」の旁の部分は独立した漢字とは言えません。

・仇 住 什 仔 仲
・姉 姥 娘 妬 姫
・抄 拒 拙 打 捉
・若 苗 菓 著 萌

 今回の課題は何気なく使っている言葉の一つ一つ字の一つ一つに、歴史や裏面の深みがあって、時にそれをじっくり眺め向き合うことで新たな思いが湧き出し、歌になるという事なのです。主に詞の狂に対する感性を養います。
 字の一つ、言葉のひとつをじっくり眺めているとその意味、形、音がバラバラになり、全体性を持ったまとまりのある構造(Gestalt 形態)をどこかに置き去りにしてしまう事があります。これを認知心理学ではゲシュタルト崩壊と言います。
 「若」という字はゲシュタルト崩壊を起こしやすい漢字の代表格です。「若い」という言葉にとって「草冠」も「右」も意味を持たないからです。「最初に、あれ~何で若いって草に右なの?」と漠然と抱いた疑問が「この草に右の字、意味なんだっけ?」となってしまう。これがゲシュタルト崩壊です。

2,小野篁歌字尽を真似て偏旁冠繞(へんぼうかんにょう)その他、共通項や類似性ある漢字群で狂歌をつくる。

若 苗 菓 著 萌

右にワカ 田にはナエ植え カジツ食う モノはオゴリて 明けにモエ

「奢る」「おごる」は残念ながら草冠ではありません「著す」は「あらわす」ですね。

菓子の菓は確かに木になる果物をかつては意味しました。今でも「(調理されていない)果物」について「水菓子」という言い方をします。

右の若 者で著す 田には苗 果たして菓子に 明るきは萌え

このような形にしてみました。

3,「月」「肉月」「舟月」の違いについて調べる。
具体的にそれぞれに由来する部分を含む漢字を挙げる。

本来、月(ツキ)と月(フネヅキ)、月(ニクヅキ)は区別されていたが、常用漢字ではすべて月の形にしている。

月=「月」は、月の満ち欠けなどの状態に伴って時間などの意味を表す。
服・朔・朕・期・朝・朧

肉月=からだに関する文字を作る。 〔「肉」が偏になるときの形で,本来「月偏」とは別のものだが,現在は同じ字形となっている〕
肌・肋・肝・肛・肓・肖・肘・肚・育・肩・股・肯・肱・肴・肢・肥・肪・胃・胤・胡・胛・胥・胙・胎・胆・胝・背・肺・胚・胞(胞)・胸・脅・脇・胯・胱・脂・脆・脊・胴・能・脈(脈)・脚・脛・脩・脱・脯・腋・腔・腎・脹・脾・腐・腑・腕・腫・腥・腺・腸・脳・腹・腰・膈・膏・腿・膀・膜・膂・膠・膝・膵・膣・膚・膩・膳・膨・臆・膾・瞼・臀・膿・臂・臍・臑・臘・臓

舟月=舟はつきへんと混同し、類似するもの。

航・船・航・舫・艪・膨・艀・艦・艘・艫

*『大漢和辞典 5』p1010〈月〉の「参考」に「つきへんに混同し、又類似するもの、他に丹・肉・舟がある。形を別ければ、本来のつきへんは月で右方が離れ、丹は丹(横棒が出ていない形)で一畫は縦、肉は月で左右共に接し、舟は月(横棒が離れている。点々に近い形。) 又は月(中の線が斜めの形)で中の二畫を斜めにし」とあり。
*『大漢和辞典 9』p246〈肉〉の「象形」に「切った肉による。中の点々はその筋を表す。」とあり。また、p250(月(ニク)〉に「にくづき。肉が漢字の偏となるときの形。」とあり。
*『漢字類編』p400-401〈舟〉の「象形」に「舟は舟形の字とされるが、受・前・般・朕(ヨウ)などの甲骨文・金文の字形によっていえば、盤の象形で、物を盛る器である。その形が同じなので、また舟の意にもちいる。」とあり。
*『角川大字源』p843〈月〉の「部首解説」に「月の満ち欠けなどの状態に伴って時間などの意味を表す。朝、服などの月は舟の省略形。本来、月(ツキ)と月(フネヅキ)、月(ニクヅキ)は区別されていたが、常用漢字ではすべて月の形にしている。」とあり。()

(白川静 字統、レファレンス事例詳細などを参考にしました)
なお、「字統」は、10年前に妻を癌で亡くした際、友人が、「一人で無人島に取り残された時に持参する唯一の本」だということでプレゼントされたものです。

添削

康熙字典 214 部首の分類では肉月に相当する字は肉部(にくぶ)に、月(つき)および舟月(ふなづき)に相当する字は月部(げつぶ)に収録されています。活字でも月部の月は内部の線を左の画から僅かに離し、肉部の月では完全に付けるなど区分している場合があります。
お調べになった『大漢和辞典 5』には「丹」に由来する「月」の字形があることも触れられていました。具体的には青豆の「青」の字がそうです。旧字では「靑」と書きますね。「丹」の字は丼と似た字で井戸の中の土を意味したようです。
月部の「月」は、お調べの通り月の満ち欠けや時間を表す漢字、また月明かりについての漢字が多いです。
具体的には朔・望・期・朧などです。他にも内田百閒の「閒」 今は「間」と書きますがかつては門扉から月明かりが漏れ出てくる様子から「あいだ」という意味にされていました。
「朝」は実は舟月です、川をゆく舟の向かう先から日が昇る様子だそうです。しかし「夕」は傾いた月が一つ昇る様子とされます。

肉部の月は列挙されているとおり、身体の部分を表す漢字が多く、実に沢山存在します。さらに肉部でなくとも肉月と同根の象形文字が使われた漢字は幾つもあります。例えば「多」は肉が二つある様子、「祭」は台と手と肉、燃の源となった「然」は犬と焚き火と肉が組み合わされています。

舟月はお調べの通り元々は舟の象形文字(祭器の盤の形で、またボートの意)を元にしています。先程挙げた「朝」の他、「前」「朕」「勝」などが該当します。

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では、3-5の課題です。

1. 狂歌を付けたいと思う人物・キャラクターを探し、出来ればその人物あるいはキャラクター画像のURLを教えてください。
その人物・キャラクターを用いた狂歌はまた次回に作成します。今回は、人物あるいはキャラクターを決めるだけです。
2. 誰かの入学(入園・入社)あるいは卒業を祝した記念の狂歌をつくってください。その人にその狂歌をプレゼントするつもりで作ってください。

 

kyoka320-40

 

 

 

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